特集 1 なるほど! 健康レポート

健やかな毎日のために、 歯と歯ぐきをケアしよう

健康な歯を保って歯周病を予防しよう

春や秋に健康診断を受けられる方でも、歯科で定期的に歯のチェックをしているという方は少ないかもしれません。実は、歯の健康は全身の健康と大きな関係があることをご存じでしょうか?

歯の病気といえば、虫歯をはじめ、歯肉炎などがありますが、中年期以降に気をつけたいのが歯周病です。驚くことに、40代でも約8割が歯周病にかかっているといわれています。

歯周病は感染症の一種。歯の表面や、歯と歯の間にたまった白いカス状のものを歯垢(しこう)、あるいはプラークといいます。この歯垢は、食べ物のカスをエサにして増えた細菌のかたまりです。歯垢の中に潜んでいる歯周病菌が、歯と歯ぐきの間に入り込むと、歯ぐきが赤く腫れる歯肉炎を引き起こします。この歯肉炎がさらに悪化すると、歯周病へと進行していくのです。

実は、歯周病の初期は自覚症状があまりないことも多く、気づいたときはかなり進行していたというケースも。歯周病が進むと、歯を失うリスクが高まるだけではありません。歯周病菌や、歯周病菌から生じた毒素などが血液を通じて体内に広がり、体の不調やさまざまな病気につながることもあるといわれています。

歯の健康を守るためにも、正しい歯磨きの習慣を。歯周病を予防しましょう。

そうなる前に、日頃から歯と歯ぐきをしっかりケアして、いつまでも健やかな歯と体を維持したいですね。

正しい歯のケア方法とは?

虫歯や歯周病予防の基本は、歯磨き。でも、正しいやり方で歯磨きしないと、歯垢がたまりやすい状態になってしまうかもしれません。しっかりと歯垢を取り除くための歯の磨き方をご紹介します。

歯の表面だけでなく、歯と歯ぐきの間も磨く

歯の表面
歯ブラシを、歯の表面に対して直角に当て、小刻みに動かして磨きましょう。

歯と歯ぐきの間/歯の裏側
歯ブラシを、歯に対して45度に当て、歯と歯ぐきの間にたまった歯垢をかき出しましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシも活用しよう

デンタルフロス
歯と歯の間にたまった歯垢は、デンタルフロスで取り除きましょう。フロス(糸)には太さや素材など、さまざまなものがあるので、使いやすいフロスを選びましょう。

歯間ブラシ
歯と歯の間にすき間がある方は、歯間ブラシを使うと、うまく歯垢を取り除けます。

その他のポイントとして、上の前歯の裏側や、上下の奥歯など、磨き残してしまいがちな部分にも気をつけましょう。こうした部分を最初に磨くようにすると、磨き残しを防ぐことができます。

歯科健診を受けましょう
「歯医者には歯が痛くなってから行く」という方も多いかもしれませんが、歯の健康を保つためには、定期的に歯科検診を受けることをおすすめします。歯垢の除去のほか、虫歯や歯周病のチェック、歯の磨き方などの指導も受けられます。