眠っている器レスキュー大作戦 眠っている器レスキュー大作戦

年末の大掃除。食器棚を整理してみたら、存在も忘れていた食器が奥で眠っていた…。
そんな発見を毎年繰り返しながら、見なかったことにしていませんか。食器を変えれば、食卓の景色も変わります。出番の少ない食器に、活躍の場を与えてみませんか。

食器は使っていきるもの。
眠っている食器に愛の手を

日常の食卓に豊かさを与えてくれるのは
食器の存在

食器棚をのぞいてみると、日頃から使っていない食器があることに気づくことも多いと思います。それなのに、なかなか捨てるに捨てられないでいるのが食器なのです。「誰か来たときに使うから」「お正月用だから」と、いろいろな理由をつけて手放せずにいることも多いのではないでしょうか。
増やすつもりがなくても、なぜか増えていく食器。たとえば、結婚式の引き出物だったり、何かの景品だったり…。もし、旅先で素敵な焼物を見つけたら、つい買ってしまうこともあるでしょう。
でも、日常的に使うのは、決まりきった食器だけ。ライフステージが変われば、食器の出番も変わってくるものです。
江戸時代に長屋で暮らしていた庶民の居住空間は四畳半から六畳程度。そこで寝食していたので、食器棚など余計な家具を置くスペースはありませんでした。
ちゃぶ台などの食卓も置けません。なので、箱膳と呼ばれるものに1人分ずつ最低限の食器を収納して、食事をするときは、蓋が食卓代わりになり、使わないときには食器棚の役割にもなっていました。一汁一菜が基本だった当時の庶民の日常の食事は、これで十分にまかなえたのです。
今でもライフスタイルによっては物を持たない、江戸時代のようなミニマルな暮らしを実践している人もいますが、食器は暮らしに豊かさを与えてくれるアイテムでもあるのです。

眠っている食器を活用すれば
いつもと違う食卓の景色が…

食器の役割は単に料理を盛る器という基本的な機能だけにとどまりません。選ぶ器次第で、料理の見栄えをよくしたり、使う器の素材次第で冬には温かさを、夏には涼しさを演出することもできます。
また、絵柄によって季節感を感じさせることもできるのです。
それなのになぜ、使わない器が出てきてしまうのでしょうか。それは、自分のなかで、「この料理にはこれでなくてはいけない」というような固定概念が自然にそなわってしまっているからです。家庭の料理は器のためにするものではありませんから、とりあえず作った料理を盛ることができれば困ることはありません。
ならば逆の発想で、いつもと違う器に盛ってみてはいかがでしょうか。
たとえばカレー。ご飯と一緒に皿に盛るのが普通かもしれませんが、和のどんぶりに盛ってみれば、風情がまた変わります。また、ご飯とおかずを一緒にワンプレートで盛ってみても、楽しい1品になります。
料理の視覚的効果というのは、おいしさの感じ方と無縁ではなく、いつもと同じ料理でも、違う器に盛っただけで、おいしさの伝わり方が違います。逆もまた真なり…なのですが、せっかく持っているのですから、使わずに眠っている器の登場機会を増やしてみませんか。
食器は使ってこそいきるものです。見栄えが変われば、食卓の景色も変わります。そんなところから、新しい会話が、食卓から生まれることもあるでしょう。

器が変われば、食卓の景色が変わる

一汁三菜を、大皿でワンプレートに

ふだんの食事は和食の基本〝一汁三菜〟を意識して用意される方も多いのでは?それを1人分ずつ出すときは、主菜・副菜・ご飯・汁ものそれぞれを別々に盛って出すのはよくあること。いわゆる定食のスタイルです。これはこれで、さまざまな器の使用機会を増やすひとつの手法。そんな日常のなかで忘れられているのが、大皿です。
大皿は、人が大勢集まって食事をするときには活躍してくれますが、日常的には出番が少ないもの。そんな大皿は、定食のワンプレート盛りでレスキュー。いつもの食事がカフェ風に変身して、洗いものも減るメリットがあります。

おせちこそワンプレートで、今どきに演出

おせちといえば、重箱詰めが定番。でも、お正月の過ごし方が変わってきた昨今、おせちは食べられるだけの人数分の市販のお重詰めを購入するというご家庭も多いことでしょう。でも、家族の好みなどもあると、いつまでも減らないものもあったりします。ならば、好きなものだけ買ったり、作ったりして、それを大皿に盛り込んでみたり、1人分ずつ盛り付けたりなど、ワンプレートにしてみませんか?
たとえば懐石料理には、〝預け鉢〟のようなひとつの器から取り分けて食べるものや、〝八寸〟のように1枚の皿に山海の味覚を盛り込んだものがあります。それもひとつのワンプレート。ですから、おせちのような祝い肴がワンプレートでもおかしくはありません。おせちの基本とされる祝い肴三種(黒豆・数の子・田作り、または、たたきごぼう)だけをワンプレートにしても、新年を祝う気持ちは十分に表すことができます。

おもてなしのローストビーフ三変化

おもてなし料理の代表格ローストビーフ。フライパンでも簡単に作れ、見栄えもよいので人気の一品。同じローストビーフでも、器を変えてみれば、ずいぶんと雰囲気が変わります。気の置けない仲間とならカジュアルに、家族で大皿を囲んで、少しかしこまってフォーマルに。ふだんは使わない器を引っ張り出してみれば、新たな食卓の景色が生まれます。


食器棚にたまっていた豆皿を脇役から主役に昇格

小さくてかわいく、手頃な値段だったりすると、つい買ってしまうことの多い豆皿。たくさんあるのに食卓に登場する機会は、しょうゆ用の小皿に使ったり、ちょこんとお漬物を盛ったりする程度。意外に出番が少ないものです。あまり気にしないと、上の方にあるものばかり使っていて、洗って片づけるときには、またそれを上に重ねるので、次も同じものを使いがちです。そんな豆皿を活用して、主菜も副菜も分け隔てなく、豆皿にのせて並べてみてはいかがでしょうか。

少しだけ残っている食材を使い切るために作った少量のおかずも、前日に食べ残したものや作り置きの惣菜も、豆皿にのせて並べれば、残りものですら新しく見えてくるものです。それに、自分だけのおかずがいろいろと目の前に並んでいるのは、何となく嬉しく、楽しい気分にしてくれませんか?柄が揃っている必要はありません。むしろ、いろいろとあったほうが、食べた後にどんな柄が出てくるかが楽しみかもしれません。9cm以下の小さな世界が、新しい楽しさを生んでくれます。

「へぇー、こんなお皿があったんだ」と、あらためて見直すきっかけにもつながるかもしれません。

刺身の盛り合わせは豆皿でおしゃれに

店頭では、見栄えよく盛られている刺身の盛り合わせ。いざ、お皿に盛り直すとバランスが崩れてうまくいかないものです。
なので、パックのふたをとっただけで、そのまま食卓に出してしまう人も多くいます。それならば、1種ごとに1人分ずつ豆皿に盛って並べてみてはいかがでしょうか。皿のサイズを揃えることで、自ずとバランスがとれます。

眠っているなら別の用途で活かそう

お気に入りの1枚って、割ってしまうのがこわくて、大事にしまっておくことも多々あります。
そして、いつの間にか忘れられた存在に…。そんな豆皿こそ、食器として活用する以外に、表に出して、小物トレイにしてみてはかがですか。お気に入りのものがいつでも目に入り、はずしたアクセサリーやカギなど、ついそのあたりに置いて行方不明になりがちな小物を一時的にのせる場所にしておけば、一挙両得になるのでは。

粉末スープも器を変えればおもてなしの一品に

お湯を注ぐだけで簡単に作れる粉末スープは、毎日の食事で便利なものです。数多くのバリエーションがある味の素(株)の粉末スープのなかでも、日常のなかの贅沢感が味わえる「クノールR贅沢野菜R」は、おもてなしのひと皿としてもふさわしい逸品。そのおもてなし感を演出するのが器です。
いつもは手軽にマグカップで楽しんでいる粉末スープも、器を変えてみるだけで、おもてなし感も食卓の景色も変わってきます。

賢い手間抜きで、手軽におもてなしを楽しんでくださいね。